ストーリー

愛泉院

中村保吉

溝畑栄神

西村いづみ

平井愛子

米田亘

 文男(フー公)は疎開中に空襲で、両親が行方不明の孤児だった。登山好きの両親と戦争が終わったら親子三人で富士山に登る約束をしていたことが唯一の希望だった。
 友だちでもあり、兄貴分の達平(タッペ)は両親と妹を一緒に失った。そして焼け跡に残った表札をいつも持ち歩いている「大人の始た戦争!」と、大人達へのむき出しの憎しみと怒りを隠そうともしない。

 二人は何かにつけて正反対だが、地獄のような堪え難い哀しみを、共有する友だちでもあった。
 のど自慢大会に出て両親を探そうとするフー公。
 ところが、楽しいはずだったクリスマス、ふとしたことから両親の死を知らされるのであった。
 裕福な家庭に引き取られたタッペだか、幸せになるはずの人生を棒に振ってまで、浮浪児の生き方をつらぬこうとする。

 戦争は終わったが、親や家族を失い、癒されるはずのない傷を背負った少年達には新たな戦争が始まっていた。
 浮浪児として『狩り込み』で送り込まれて来た施設愛泉院、戦後の混乱の最中、補導員(センセ)たちと、子供達の生きる戦いが今日も続く。はるかに見える富士山を見つめながら…。

平井愛子

愛泉院

平井愛子

和田緑郎

平井愛子

溝畑栄神