小宮山量平

金田 茉莉

『みなし子』の舞台に思いをよせて

戦争孤児の会代表

 

 西村滋先生のご本を最初に手にしたのは二十年以上前、「雨にも負けて、風にも負けて」のノンフェンクション賞の受賞作品でした。衝撃が全身を貫きました。私も同じ戦争孤児だったからです。それから先生とのお付き合いがはじまりました。次々と出版され、送付された数々のご本は、すべて戦争孤児のことばかり。上野地下道で浮浪児と一緒に過ごし、その後、施設の補導員として戦争孤児とともに歩んでこられた先生だからこそ、弱者の気持ちがわかるのだと思います。
 敗戦後、戦争で親の家も奪われ、巷にあふれた戦争孤児、浮浪児たちほ、国から厄介者扱いされ、「狩り込み」と称して捕まえられ、逃げ出さないようオリの中に閉じ込められましたが、民間の施設に預けられた孤児たちは、西村先生のように愛情こめて育ててくれた所もあったのです。
 戦争孤児たちの哀しく切ない心情に涙し、愛の絆で固く結ばれた施設の職員、そしてユーモアあふれる西村先生のご本をもとに、このたび「みなし子」を題して、舞台で上演されることになり、大変うれしく、大成功を心から念じております。