山田洋次

山田 洋次

「なつかしい仲間たち」

(映画監督) 

 

 ぼくの古い仲間である「希望舞台」の仲間たちが、同じようにぼくの昔からの友人である西村滋さんの小説「戦火をくぐった唄」を劇化すると聞いて、胸がわくわくするほどの期待をしています。
 「希望舞台」の仲間たちは、地を這うような苦労をして演劇活動を続けてきたグループです。この人たちにこそ、西村滋さんのあの地獄の苦しみを知っている人にだけ表現できる涙と笑いの世界を視覚化することが出来るのだ、と確信します。
 重苦しい舞台をつくるのはそんなに難しいことではありません。囲炉裏の火のように暖かくて、凍りついた心がゆったりと解けていくような、そしていつか観客の表情が明るく頬笑むような、そんな楽しい舞台になることを心から願っています。